「ミヒャエル・エンデ 『モモ』_キョンキョンはすてきです!!」

 副題には、「時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語」と記されています。
 私は臨床心理学(カウンセリング)の方面から『モモ』を知りました。「聴く」ということについての関心からです。



「あらためて小泉今日子の発言を思い出す」
 エンデの『モモ』といえば、思い出すのは小泉今日子の発言である。愛読書は『モモ』。この一言が朝日新聞に載って、作家ミヒャエル・エンデの名と、そんファンタジー作品『モモ』はたちまち知れ渡った。
 本は異常に売れ、本屋によっては千冊単位で仕入れたという。一九八七年のことだった。ついでながら小泉今日子は別のところで、サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』も愛読していると語り、これまた売れ行きを伸ばした。しかしこちらは後日、「あれは言ってみたかっただけ。ほんとは読んでないよ」と告白してくれたものだった(!)
(中略)
 エンデのちりばめた、こういう言葉の深さに、小泉今日子が感応して知らせてくれた。それまで、書評家たちはエンデの本など見向きもしなかった。