梅雨晴の間に間に_「大野晋、縁は異なもの」


川村二郎『孤高 国語学者 大野晋の生涯』集英社文庫
研究者をめざす大学院生などには、こんなふうに語った。
「スジのいい研究ってのはさ、徐々に成果が見えてくるなんてことはなくてね、いきなりドカンと出てくるもんなんだな。その感じは、衝突といった方がいいかもしれないよ」(303頁)


大野晋『日本語と私』河出文庫
 見込みが正しいときにはデータが、こちらの見定める線の延長上に飛び込んでくる。私は定家仮名遣の研究などでそれを経験している。タミル語の場合にも同じことが起きた。(273-274頁)

「どんなご縁で」「そうかもしれない」、という耕治人の短編小説の題名を思い出しました。小説の内容とは縁もゆかりもないのですが…。興味深いお話ですね。